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正倉院宝物がモチーフの固形墨
令和二年度 第46弾「千寿せんじゅぼく 緑牙撥鏤りょくげばちる」を発売いたします。

株式会社呉竹は2020年5月21日に、「千寿墨 緑牙撥鏤」を発売いたします。
墨屋として創業した呉竹が墨づくりの集大成として1975年より毎年製造してきた「千寿墨」の第46弾です。今年度は、正倉院宝物の「緑牙撥鏤りょくげばちるのしゃく」をモチーフとした固形墨を限定100丁製造いたしました。
全国の書道専門店、ECサイトなどでご購入いただけます。 

緑牙撥鏤の4面を並べたイメージ

千寿墨とは

呉竹は現在書道用品や筆ぺんのメーカーとして知られていますが、1902年に墨屋として創業し、以来固形墨を造り続けてきました。
奈良墨の伝統と技術を継承したいという想いから、創業より培った墨づくりの技術をすべて投入し、後世の評価に耐えうる固形墨を製造しようと呉竹が独自に企画したのが「千寿墨」です。1975年のスタート以来、毎年数点ずつ発表しています。
通常の固形墨は実用性を重視し直方体の磨りやすい簡素な形が基本ですが、千寿墨は特殊な大型の変形墨が多く、正倉院の御物をはじめとした国宝などをモチーフとして扱っています。複雑な形状・文様の墨を製造するには、木型、型入れ、乾燥、加飾の各工程で高度な技量が求められます。

「千寿墨 緑牙撥鏤」の特長

<意匠について>

緑牙撥鏤の表面緑牙撥鏤の裏面

▲墨の表面には、題字と唐花文、鳥獣文を施している。
 裏面には区画を設け、唐花文と鳥獣文が交互に配している。

緑牙撥鏤の側面1緑牙撥鏤の側面2

▲側面に表された雲気文も忠実に再現。

今年度の千寿墨は、正倉院に収蔵されている「緑牙撥鏤尺」の一部を題材としました。
撥鏤ばちる”とは、刀の先を跳ね上げるように彫る技法を意味します。「緑牙撥鏤尺」は、象牙を紺色に染め前述の技法によって装飾されたものさしのことです。
墨の裏面には、区画が設けられた中に唐花文と鳥獣文を交互に配しており、尺の側面にある雲気文も忠実に再現しています。
赤と黄色の彩色は、現物の「緑牙撥鏤尺」に色目を近づけるべく何種類も彩色見本を作成し、現在の色目に決定しました。

<墨色について>

緑牙撥鏤の墨色見本

※墨色は出力される環境によって色目が変わります。

「千寿墨 緑牙撥鏤」は7.0丁型の油煙墨です。濃墨にすると紫味を帯びた格調高い黒を呈し、淡墨では茶紫系の済んだ美しい滲みとなります。
箱内に同じ煙質の試墨用墨を同封していますので、揮毫の際に墨色を確認することができます。

商品情報

緑牙撥鏤の表面

商品名:千寿墨 緑牙撥鏤
発売日:2020年5月21日発売予定

※プレスリリースに掲載されている内容は発表時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。

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