• Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • Youtube
  1. トップ
  2. 書道
  3. 写経の作法

写経の作法

今日からはじめる!写経のすすめ

写経の作法

準備するもの

①墨

一般的に写経は濃い墨を必要とするので、濃く磨っても粘らないものがよいとされています。そのため、写経用墨として売られているものは、上質の粘りが少ない膠を使っているものが多いです。また、細字のかな用墨も粘りが少なくおすすめです。
墨は安価なものから高価なものまで様々ありますが、「絶対にこれを使わないといけない」ということはありませんので、お手持ちの墨を使っていただいて構いません。

②硯

写経は使う墨の量が少ないため、小さな硯で十分です。岡が広いものは墨がおりやすい(墨液になりやすい)ため、力を入れなくても効率的にすることができます。

③筆

細かな文字を書くため、穂先がよくきく(まとまりがあり、程よい腰がある)ものがおすすめです。命毛に(いたち)毛や紫毫(兎毛)が使われているものは、特に写経に最適です。
筆の名称

④写経用紙

練習や失敗した時のために、まとまった数を買っておきましょう。お手本を敷いて写すのであれば、楮系の紙が薄く適しています。何度も書き直すことを考えると、かな用の半紙などが手に入りやすくおすすめです。

⑤お手本

⑥下敷き

⑦文鎮

※あると便利なもの
・水差し
・筆洗
・筆置き

■初めて写経をされる方へ

まったく経験がなく、筆を使った写経は難しいという方は、筆ぺんとなぞり書き用紙の2つで簡単に写経を始めることができます。

・筆ぺん

筆になれていない方は、筆ぺんでの写経から始めてみましょう。とくに硬筆は芯先が硬くコシがあるので、筆文字が表現しやすく入門者におすすめです。写経は小さく文字を書き連ねていくため、筆ぺんの中でも「細字」「極細」などの細かい文字が書けるものが適しています。

・なぞり書き用紙

薄くお手本が印刷されており、なぞるだけで簡単に写経ができる用紙です。なぞるだけなので、はみ出したり書き間違えることも少ないため、入門者におすすめです。

写経の様式

■手順

①まず、明るく静かな、気持ちの落ち着く部屋で、室内を片付け、机に向かいます。
②深呼吸して、心身を清浄にします。
お寺の写経場などで行われる本格的な写経会では、塗香(ずこう)を掌に塗る・室内に薫香を焚きしめ丁子(ちょうじ)(クローブのこと)を口に含むなどして行いますが、ここでは簡易的な方法をご紹介します。
塗香とは、数種の香木を混ぜて粉末にし、そのまま乾燥させたもので、体に塗って使用する香です。
香には、感覚を研ぎ澄まし、心身を清浄にし、そして、多忙時でも心を和ませるなどの働きがあります。
③心を落ち着かせたら、墨を磨りましょう。
④書く姿勢に注意し、書き始めます。
机と体をこぶしの幅くらい(約10センチ)にし、椅子は背もたれにつかないよう浅く座ります。上体は後ろに反らしすぎないようにし、足は少し広げましょう。必ず書いている文字が正面になるように、用紙を置いてください。
※半紙とこよりで作ることができる覆面瓠(ふくめんこ)と呼ばれる紙のマスクをして、写経の文字に息がかからないようにする場合もあります。
覆面瓠の作り方

■筆の持ち方

・単鉤法(たんこうほう)

親指と人差し指で筆軸を支え、中指を下から添える。(指先に力が入りやすく、細かい字に適する)
単鉤法

・双鉤法(そうこうほう)

人差し指・中指・親指で軸を持ち後ろから薬指で支える。(筆に自由度が増して強い画線が得られる)
双鉤法
※上記は持ち方の一例です。難しければ、書きやすい持ち方で始めてもかまいません。
⑤書き終わったら校正します。
校正とは、経文を正しく書けたかを確認することです。もし間違った文字があれば、間違ったことを反省しながら訂正しましょう。

■校正の方法

・誤字

右肩に点を打ち、傍らに正しい字を書き添えます。写経_誤字

・脱字

脱字部に点を打ち、行末にその字を小書きし、右肩に点を付けます。写経_脱字

・文字の重複

重複時の右肩にレ点を付けます。写経_重複
⑥出来上がった経文は、納経料を添えてお寺へお納めされるか、また、額装・軸装などの表具をなさって生活の場に揚げて心の糧となさるのも一つの方法です。
また、練習に使った紙なども、神社仏閣で行われるお焚き上げで、焼いてもらうといいでしょう。

※納経に関してのご注意

お寺へお納めされる際は、必ず事前にお寺にお問い合わせしていただき、納経の方法などをお確かめください。

PageTop