硯すずり
墨の持つ本来の墨色を発揮させるには、硯の材質と墨の磨り方が大切です。
墨を磨る時、硯の硯面一面にひろがっている鋒鋩(ほうぼう)によって、磨墨液の状態が左右されるのです。
硯の種類
端渓硯(たんけいけん)
鋒鋩の結晶粒子が均一で細かく、最も良いと言われている。
歙州硯(きゅうじゅうけん)
鋒鋩がやや粗く、凹凸は鋭く深く大小不同に分布しており、磨墨が早い。
硯の選び方
- 硯面に触れると手にピタっと吸いつく感じがするもの
- 息を吹きかけて、その跡がなかなか消えないもの
- 色目がきれいなもの
- 爪を軽くこすりつけると、適度に跡が残るもの
墨の磨り方
硯の岡(陸・墨堂)に水を数滴たらし、墨を軽く握り、手の重みだけで墨で硯に「の」の字を書くようにゆっくりと磨りあげて、
濃くなれば海(池)におろし、再び水をたらし、ゆっくりと磨っていく。できる限り濃く磨り、そして最後に使う濃さまでうすめます。