日本の美しい桜をイメージした筆ぺん
美文字筆ぺん 和文様Ⅳ
美文字筆ぺん和文様とは…
筆ぺんの呉竹が毎年限定発売している和柄モチーフの和紙調筆ぺんです。2019年は、日本の代表的な花である桜をテーマに、桜の移り変わる美しさを表現しました。
美しい日本の桜
桜は日本の花として広く知られています。桜がモチーフになったマークは多くの場所で見かけますし、春には桜の名所への観光も盛んです。外国の方からも日本の花といえば桜と認識されています。
桜は、開花によって春の訪れを告げ、見ごろを迎えれば花見に人々を誘い、美しくその花びらを舞わせます。花が散ると桜は葉桜となり、春の名残と夏の到来を感じさせます。短い期間で様々に移り変わり、見る人を楽しませます。また、春の桜と秋の紅葉が同時に見られる桜に紅葉の柄のように、現実では見られない空想の桜も親しまれてきました。
美文字筆ぺん和文様Ⅳの特長
- ストーリー性のある和柄デザイン
- プレゼントに最適な包装
- 扱いやすい筆ぺん
「美文字筆ぺん和文様Ⅳ」はそれぞれの柄が桜をメインとした日本らしいモチーフでデザインされており、それぞれがストーリーを持っています。5柄の中から気に入った柄を選ぶ楽しさもありますし、また、5柄で季節の流れを表現していますので、すべての柄を揃える楽しさもあります。
ペンは桜が舞うデザインを施した黒の台紙にセットされた状態で、PPケースに収納されています。旅行のお土産やちょっとしたプレゼントとして誰かに贈るのに適した包装形態です。
芯先は硬筆タイプの細字と中字の2種類です。
細字は、はがきや手紙、宛名書き、のし書きなどに適しています。
中字は、はがきや宛名書き、のし書き、芳名録などに適しています。
また、それぞれ線の強弱がつけやすいため、イラストやブラッシュレタリングにも使えます。
桜柄のラインナップ
桜の開花を報せる便りのことを「花便り」といいます。「花便り」柄は、春の訪れを感じさせる開花の頃の桜を表現しました。
日本では、春になると天気予報と一緒に桜の開花予測が報じられます。日本列島でのソメイヨシノの開花日を繋いだ線を、天気図の前線に見立てて桜前線と呼びます。
季節が進むにつれて、桜前線は南から北へ、低地から高地へと移動していきます。桜を通して、春が広がる様が見て取れる、日本の春の風物詩です。
「花便り」柄のデザインは、つぼみの状態や今にも開花しそうな桜も多く、これから見ごろを迎える桜を表現しています。桜の下には鶴がいます。鶴は長寿や縁起を祝う「鶴は千年、亀は万年」という言葉や、昔話にも登場するなど、古くから日本で親しまれてきたモチーフです。
背景の文様は、円を組み合わせた七宝という文様です。七宝とは、仏教の経典に出てくる7種の宝のことで、七宝は縁起の良い文様として知られています。
夜桜とは、夜に見る桜の花、また、夜の花見の事を意味します。「夜桜」柄は、月明かりに照らされた桜を表現しました。
「花見」といえば、桜を鑑賞することを指します。平安時代以前では、花といえば梅でしたが、平安時代の和歌集『古今和歌集』の頃から、桜が多く歌に詠まれるようになり、花といえば桜を指し、日本を代表する花として親しまれるようになりました。
昼間に見る桜も美しいのですが、夜桜もまた美しく、月明かりに照らされた桜は幻想的な雰囲気をまといます。
夜空を背景にしたあふれるような桜は、まるで桜の木の下で花を見上げているように見え、金の箔押しで散らされた花びらは、月光に照らされているかのようです。
雲がたなびいている背景にうっすらと見える文様は、花便りと同じ七宝柄です。
桜は開花を始めてから満開まで、だいたい1週間かかります。その後、1週間ほど満開が続き、また1週間ほどかけて散っていきます。桜の見ごろは満開の前後10日ほどであるため、ようやく咲いたと思えば、すぐに散ってしまいます。この桜のはかなさを表現しているのが「桜舞う」柄です。
たとえば、「世の中は三日見ぬ間の桜かな」ということわざがあります。世間の移り変わりが早いことを例えた言葉で、桜の花があっという間に散ってしまうことを世の中の移り変わりにかけています。このように、桜のはかなさは和歌や俳句でもたびたび詠まれ、はかなさに目を向けたことわざや桜言葉が語られてきました。
「桜舞う」柄では、ひらひらと舞う桜の花びらとともに、日本一高い山である富士山がデザインされています。富士の青色と桜色、また、はかない桜と変わらずそこにあり続ける富士山が対比されています。
背景の文様は、紗綾形といい、「卍」を崩して作られた形を四方に連続して組み合わせたものです。不断長久という、絶えることなく長く続くという意味が込められています。
「名残り桜」柄は、いわゆる葉桜を表した柄です。花が散り、葉が目立つようになった桜の様子を表現しています。
葉桜を眺めていると、散ってしまった花を忍ぶ思いがこみ上げてきます。夏の訪れに心躍ると同時に、春の終わりに少しの寂しさを感じます。
ちなみに、日本では、桜の葉が食用に使われています。塩漬けにした桜の葉を巻いた桜餅は、桜の季節になると食べたくなる風流な和菓子です。近年は、桜餅の葉を食べない人も増えているようですが、伝統的な手法で作られた桜葉の塩漬けは柔らかく、食べることができます。
背景の文様は、菱文様という柄です。菱形を基本とした連続文様で、季節を問わず着物や和柄デザインに広く用いられています。菱形は、縄文時代の土器にも描かれている文様で、自然発生的に生み出された幾何学文様と考えられているようです。
菱という水草の繁殖力がとても強く、子孫繁栄や五穀豊穣の願いを込めた文様とされます。
「桜に紅葉」柄は、現実世界では見ることのできない桜の様子を表現しています。四季折々の変化に心を留める日本人の暮らしに根付く桜と紅葉をあしらった伝統的なモチーフで、着物の柄でもよく使われます。
この柄は、春の桜と秋の紅葉がともに存在するという「架空の季節」を描いたものであるため、四季のどれにも当てはまらず、季節を問わず使われます。
「桜に紅葉」柄は、丸みを帯びた桜と手のひらを広げたような紅葉の対比が効いています。
背景の文様は市松模様です。シンプルな格子柄だからこそ、和小物などに限らず広く使われています。
日本では、古くから装飾品や工芸品に使われてきた格子柄は、江戸時代中期に人気を博した歌舞伎役者「佐野川市松」が舞台でこの模様の袴を着用し、これが当時の女性の間で大流行したことから、市松模様という呼び名が定着しました。
市松模様は、途切れることなく柄が続いていくことから子孫繁栄や事業拡大の象徴ともされ、縁起の良い文様です。