1953

墨滴

1953年に教育現場の「墨を磨る時間を短くし、節約した時間で 
授業の内容を充実させたい」という声のもと新製品の開発を始め、
1956年に水に溶かして使うチューブ状の「練り墨」、
1958年に液体状の「墨滴」を発売しました。
発売当初の評価は様々でしたが、
いつでもすぐに均一な黒色が出る墨滴はしだいに受け入れられ、
今では学童用から作品用まで豊富な種類を取り揃えています。

1956
1958
1963

ペン

墨滴に続く新規事業への取り組みとして、
もう一つの書く分野である筆記具(サインペン)分野へ進出しました。
当時の一般的なマーキングペン(油性フェルトペン)は裏移りやにじみ、
細い線が書けないなどの問題があったため、ペン先の材料の模索、
実験を何度も繰り返し、約2年の開発を経て
1963年に水性インキで細字の「クレタケドリームペン」発売。
1964年にはアメリカやヨーロッパに向けて輸出を開始しました。

1963
1973

筆ぺん

墨屋であること、サインペン開発に成功したことから、
墨の書き味+サインペンを組み合わせた商品として
1973年に「くれ竹筆ぺん」を開発しました。
筆記具の革命ともいわれるサインペンの技術を活かして
生み出された「くれ竹筆ぺん」は、今や生活の中で定着し、
特に冠婚葬祭には欠かせないものになっています。

1973
1980

アート&クラフトカンパニーを目指して

以来、呉竹は「日本一の書道用品総合メーカーへ」「世界に通用するユニークな筆記具メーカーへ」「水墨画に発する日本の色を表現できるメーカーへ」という3つの想いを統合し、「アート&クラフトカンパニー」へと成長してまいりました。
更に近年では、絵てがみやクラフト等のオリジナル作品に欠かせない、多色化を強みとした様々なサインペン等を展開しています。豊富な色数のカラーペンや顔彩を開発するにあたり、微妙な色差の表現とその品質管理にこだわっています。そして、それらのカラーペンは、アジア・ヨーロッパ・アメリカなどといった様々な国や地域で販売されています。

産業用途開発

呉竹は、アート&クラフトの商品を通じ、世界中の人々の心に豊かさ、生活に潤いを与え、
新しい文化を創造し、社会に貢献し続ける企業でありたいと考えております。
また、その過程で培った技術を幅広い領域に活かし、さらなる貢献を目指しております。

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1902年
綿谷奈良吉が製墨業「綿谷商会」を奈良市内侍原町にてはじめる

奈良吉は大手製墨業者で職人として働いていました。名墨匠といわれるほどに製墨技術に優れておりました。
大手製墨業者で墨を造る一方で自宅裏に設けた工房でも製墨を行い、独立への思いを強め1902年に独立し「綿谷商会」を創業しました。

1975年
後世に残る墨づくりとして「千寿墨」発表。現在に至るまで、毎年新たな墨を作成

古来より文房四宝のひとつとして親しまれ貴ばれてきた墨は、消磨されながら初めて不滅の光彩を放つという宿命をもっています。
千寿墨は、中国から造墨の技が伝えられて一千数百年という悠久の歴史を背景に練り上げた墨匠畢生の作です。呉竹が紡いできた奈良墨の伝統と技術を後世に伝え、呉竹の歴史とその足跡を固形墨によって記録したいという願いを込めております。

1956年
練り墨「墨のかおり」を開発。液体墨生産の第一歩

組成の工夫、粘度の加減、墨色の調整などに試行錯誤をしながら開発をおこないました。練り墨「墨のかおり」は、呉竹にとって初めての液体墨製品であり、固形墨以外の墨製品分野へ一歩を踏み出した記念すべき製品となりました。

1958年
業界初の書道用液体墨「墨滴」を開発

「そのまま書ける書道用液」というキャッチフレーズとともに売り出しました。
硯に注ぐだけで誰もがすぐに習字に取り掛かることができる利便性は、時代の要請に応じたものでした。墨滴に対して賛否両論ありましたが、子供たちにも使いやすく上品な墨色をしているという評価を受け、広く受け入れられました。

1963年
筆記具の革命といわれるサインペン「クレタケドリームペン」の開発に成功

墨滴が売り上げの大半を占めており、墨滴頼りになっていることに対する経営的な懸念から、創業製品である墨と関連した新たな「書く分野」への進出を目指しました。当時話題になっていた油性インキのマーキングペンをヒントに筆記具開発を手掛け、「水性速乾・夢のタッチ」というキャッチフレーズで「クレタケドリームペン」を発売しました。

1977年
極細サインペン「クレタケジグ」開発、生産開始。以後「ZIG」ブランドを確立

クレタケジグはプラスチック芯を採用したペンで、インキに改良を加えて優れた耐水性と耐光性を付加しました。またペン容器の樹脂も気密性を高め、インキの乾燥という課題を解決しました。さらに、つや消しのスリムなボディ、高級ステンレスクリップで斬新なデザインを構成しました。1978年2月に大阪デザインセンターから、9月には通商産業省から「グッドデザイン選定商品」に選ばれています。

1973年
「くれ竹筆ぺん」を開発、生産開始

多彩な筆記具の登場で筆や墨を日常的に使わなくなったことなどにより、毛筆で書くことを苦手とする人々が増えていました。しかし、芳名帳への記帳や熨斗紙への署名、さらには年賀状など、筆文字が求められる場面は多くありました。そこで、墨造りの伝統を、サインペンの開発で培った筆記具製造技術と結びつけて、手軽に筆文字が書けるペンの開発に取り掛かりました。そして、細い文字も書けてトメやハネ、ハライも自在にできる筆ぺんが完成しました。

1980年
「くれ竹筆ぺん二本立」開発、生産開始

1978年~1980年にかけて、合成繊維を使用した毛筆タイプの「くれ竹毛筆ぺん」、軟筆と硬筆のツインタイプの「くれ竹筆ぺん・二本立」、墨色とうす墨の「くれ竹慶弔筆ぺん」を相次いで発売し、くれ竹筆ぺんのラインナップを充実させました。
中でも、二本立は、現在呉竹の筆ぺんの中で売上トップに位置し、発売以来広く親しまれているロングセラー商品です。