
呉竹は明治35年(1902)に奈良の伝統産業である墨造りを家業として創業し、今年で108年目を迎えることができました。その間、書道用品を通じて皆様の生活を豊かにし、教育、文化の発展に寄与できるように取り組んで参りました。
そして、その後「かく(書く・画く・描く)文化」に貢献できる企業として、サインペンの開発に始まり、伝統の日本文字を容易に表現できる筆ぺんを発売致しました。今も多くの皆様にご愛用いただいております。
しかし近年は、IT化が進むにつれ、文字を書くことが極端に少なくなって参りました。また、世の中すべてにスピード化され、便利さだけが優先される風潮になってきました。でも、こんな時こそ自分の手で真心を込めて書いたり、自分の思いを手造りで表すことが大切と思います。そして「人間らしさを取り戻すにはアナログへの回帰」を旗印に現在の事業領域を「アート&クラフト」と定めました。生活も豊かになり文化、芸術の領域も拡大し、趣味の世界では多岐に渡って楽しまれるようになりました。その中の一つに「絵てがみ」があります。読んで字の如く「絵」と「文字」とを「真心」を込めて表現していただくコミュニケーションツールで、人との関わりを最も大切にしたいという思いから愛好者は拡大を続けております。
「書道」に始まり、「絵てがみ」までも「アート&クラフト」の一環ですが、その中心事業として10年以上取り組んでいるのが「スクラップブッキング」です。ご承知の通りスクラップブッキングとは写真を美しくレイアウトして思い出をより鮮やかに残していくクラフトです。アンテナショップ「アート&クラフトDUO」を展開して市場情報とノウハウの集積を進めてきました。現在DUOは直営店とフランチャイズ、DUOコーナーで全国展開し、新ビジネスモデルとして構築中であります。そして、その中心のクラフトがスクラップブッキングです。
このように呉竹は1995年からスクラップブッキングの日本への導入を準備してきました。そして現在の日本のスクラップブッキング市場は本格的な拡大期にさしかかっています。呉竹は日本の伝統に根ざした100年の歴史と、30年に渡る海外でのマーケティング経験、10年に及ぶ日本市場のリサーチの成果を持って、日本の文化にマッチしたオリジナルな商品、テクニックおよびラーニングシステムの開発に努め、日本のスクラップブッキング市場の発展を担うリーディングカンパニーとなりました。
一方で、「人を大切に」という精神のもと、ワークライフバランスにも積極的に取り組んでおります。働きやすい環境整備のため、午後6時までの退社、年次有給休暇の計画的取得促進に加え、仕事と保育の両立支援のため、2008年3月に事業所内託児所「たけのこ園」を開園しました。また午後6時までの退社によって生まれた時間を社員自らが有効利用して、自己実現のため、補助金制度を利用し、各種資格取得にもチャレンジしております。
最後になりますが、創業百余年、呉竹が一貫して商品造りにかけてきたことは「手書きの暖かさ」であり「手造りの良さ」でありました。これからもこの精神は後世にまで伝え残したいと考え、お客様のニーズを満たす「安全で、安心して使え、愛着の持てる商品造り」に邁進致します。
2010年6月
代表取締役社長 綿谷 基